生け花教室の一葉式いけ花

作品

2023年06月06日

花と器のハーモニー 2023の作品について

テーマ:清爽の花の間

いけばなの鑑賞のポイント

先ずは全体を観て、「動き」を感じる。植物や器のキャラクターが、いけられている環境が活かされているのかいけばなという言葉の中の、いけるという意味を考えたときに「活かす」と「生きている、生命力」という意味の両方があると思います。

「活かす」の中には
植物のキャラクターを活かす。
空間を活かす。
器を活かす。
いけ手が、どうそれを捉えられているかを感じられたら素敵だと思います。

生きているということを表現する為には
「表情」があるかどうか。
「動き」があると植物の生命力を感じます。

 

作品1

ここを訪れた時に、この館の特徴の一つ、この吹き抜けの空間の良さをいかしたいと思いました。
季節は梅雨なので、文字の通り梅の実で雨を降らせ、ケムリソウで雲を表現しています。
梅雨の花をイメージさせる紫陽花と水面の美しさを合わせ、躍動感を感じるようにいけました。
型にはまらず遊び心を大切にしています。

梅雨を爽やかに、いけばなで表現したいと思いました。

空間全体を見て身体でいけばなを感じてください。
全体の動きをぜひ見ていただきたいです。
一葉式いけ花のいけばなの特徴でもある
立体感、間の使い方も是非楽しんで頂きたいです。

花材: 青竹 ケムリソウ ナツハゼ 紫陽花(青・ピンク) 青梅 梅の枝

 

作品2

外の景色を含めてご覧いただきたいです。外からの光の感じと、白い器をいかすように、白いお花で爽やかにいけました。左右のカシワバアジサイやドウダンツツジの自然な動きと流れで空間を調和するようにいけました。

花材:青竹 カシワバアジサイ ドウダンツツジ

 

作品3

器、空間、そして花がそれぞれが引き立てあい、調和する事を意識しています。
深いブルーのテーブルクロスで、スペインの食器サルガデロスの白く浮き彫りにされた葉の模様を強調し、その美しい白い色と外の景色の緑とマッチするような色遣いにもしました。穴を開けた竹を花器にし、色々な角度から観ても植物が美しく、空間とマッチするように意識をしています。
食器と花、洋館らしい木の壁の色がお互いに引き立てあうようなボリュームと色彩にしています。

花材: 青竹 シャクヤク クレマチス リョウブ

 

作品4

流派の特徴の一つでもある、バランスを使った作品。
そこに川のような、滝のような風景をイメージして、花びらの舞う掛け軸をいけました。
スプレーデルフィニウムの花びらを使い、だんだん色が濃くなっていくように、川の流れを立体的に感じられるように表現しました。
竹のシャープな動きと楓の自然な表情を活かし、流木と共に自然の風景を感じるようなイメージでいけました。
そこに大自然の中で見つける小さな可愛い草花を見つけたときの喜びも添えました。

花材: 和紙 スプレーデルフィニウム もみじ 枯木 八重のどくたみ ヤマアジサイ

 

作品5

この洋館全体の持つ爽やかなイメージに風を感じるような作品をいけたいと思っていましたので、木々が風を受けて揺れ動く様を竹のしなりとしなやかさで表現しました。
部屋の雰囲気が変わる様に、花の雰囲気も芭蕉の花(バナナ)等、トロピカル寄りにして、次の季節と川の向こうの海、海外に思いを馳せる異国情緒溢れる港町横浜に寄せてみました。
竹、器が共通したものを使い館全体の連動性を持たせました。

流派の特徴として、バランスを使った作品やバランスを取りながらいける作品が特徴の一つとしてあります。どの作品も剣山やワイヤー等を極力使わずにいけているのもその技術の一つです。

花材: 青竹 ビジンショウ(赤) バナナ バナナの葉 夏はぜ たいさんぼく グロリオサ ヘルコニヤ バショウの葉

 

6月7日 テレビ朝日 グッド!モーニング 生放送中にお天気キャスターの依田さんと粕谷尚弘家元が一緒にいけられた作品です。

花材:ハラン シャクヤク ブバルディア

花材:ひまわり ナルコラン ブルーベリー ブバルディア